収録の際、厄介なのがノイズです。
プロたちがプロらしく聞こえる理由のひとつで、プロの方々はこういったノイズがなく、クリアに聞こえます。
ノイズは声優の中ではさまざまな分類があり、主に指摘されるのは
・ポップノイズ
・ペーパーノイズ
・リップノイズ
・鼻鳴りのノイズ
などが挙げられます。
せっかくのいい声、いい演技でも、ノイズが発生してしまうとその収録した音は使えないゴミとなりえます。
音声の編集をしてくれるエンジニアさんの力でこれらのノイズを消せる可能性はありますが、エンジニアさんの作業負担もありますし、ノイズ自体必要のないものなのでそれなら発生しないに越したことはありません。
これらはどんなノイズなのか簡単にご紹介します。
もくじ
ポップノイズとは
マイクに「ボフッ」といった空気の音が入るノイズです。
カービィの空気弾と同じ要領ですね。要するに空気がムダに吐き出されているわけです。
演技に限らずボーカルなどでもありがちなノイズですね。
対策
物理的にはポップガードと呼ばれるマイクの前にタイツ生地のような膜を取り付けるものがあります。これがあるのとないのとではポップノイズの差が顕著に出ます。
身体的には空気の吐きすぎが原因で発生するものなので吐き出す空気の量を自身で調整する必要があります。
ペーパーノイズとは
私達声優は、俳優と違って丸暗記で現場に臨める環境は少ないです。場合によっては当日台本を渡されてすぐ本番という現場もありますので。
そうなると台本を持ちつつ演技をするのが主流となりますが、この際に紙のペラペラした音は当然マイクも拾います。
これがペーパーノイズと呼ばれるものです。
ペーパーノイズに関しては慣れなどもありますが、100%自分でコントロールして防げるノイズとなるので、早めに指摘はされないようにしたいですね。
対策
身体的な対策として、台本を持った手を動かさないというのが鉄則です。
演技の際、熱が入って手が動きがちな方もいますが、これは絶対に直しましょう。
ボイスドラマ、ゲーム収録で共演する場合
台本をめくる際には必ず音が出てしまうので、次のページをめくる時は現場にいる全員でめくることです。
もし、めくってすぐに演技をする立場の場合は、全員がめくり終わったことを音で確認してから演技をしましょう。
アニメや外画の吹き替えで共演する場合
たまに、次のページにかかってセリフが載っていたり、掛け合いをする上で次のページまで掛け合った方が都合が良い場合などがあります。
その場合律儀にページが終了したからといってめくると、これらのタイミングが合わない場合があります。
そうならないためにも、紙を少しずらして次のページまで見えるようにしておくか、あらかじめ次のページのセリフを書き込んでおくと良いかと思われます。
リップノイズとは
口の中や唇の音です。「ペチャッ」「クチャッ」など唾液の音などが主になります。
これに関してはなかなか自身でコントロールすることが難しく、直すには時間がかかります。どういうのがリップノイズなのか自覚しておくことが大事です。
対策
口の中の唾液が主な理由となるので、唾液を調整する必要があります。
詳しくはこちらで解説します。
鼻鳴りのノイズとは
呼吸をした際に空気の通りが悪く「フゴッ」といった音が聞こえるノイズです。
豚の呼吸に近い現象が起こります。
自覚しにくく、聞いても分かりにくいのでこれも直しにくいノイズといえます。
対策
呼吸をしっかりすることが大切です。
こういったノイズは呼吸が浅い方になりがちなので深呼吸などを心がけ、普段の呼吸を深くすることが大切でしょう。
まとめ
ノイズも基礎力の問題で、滑舌と共に重要な要素です。
これらが一切ない演技はそれだけでも一つの武器になり、それだけノイズは誰にでも発生するもので、消せるかは大きな技術力の向上につながります。
自身がどんなノイズが聞こえるのかまずは研究し、さまざまな方法で対策してノイズを消せるようにしましょう。